嗚呼絞り込み測光


今更ながらのはなし。
貧乏なのでE-1用のZuko Digitalレンズが思うように買えない俺は、M42や旧ZuikoそしてKマウントなどを使う機会が多い。そうなると当然の事ながら絞り込み測光ということになる。
絞り込み測光と言えば1年ほど前、俺はPENTAXのSPIIを手に入れた。これとの比較で絞り込み測光を復習してみたい。

まず、俺の1眼レフ歴が露出計なしのPENTAX SLからスタートしているところに関係してくるのだが(昔話ではないよ)、これの撮影手順を復習してみると、

(1)絞り開放でピントを合わせる。(2)絞りとシャッタースピードをいじりながら露出を調整(実際にはカン!^^)(3)シャッターを切る。 (1)と(2)が逆になることもよくある。
露出計が内蔵されたSPでも同じことで(2)の操作が内蔵の露出計の指針を見ながら楽にできるというだけである。しかし露出計のないSLと絞り込み測光ができるSPとの間に隠されている大きな違いは、

 
SPでは実際に絞り込んだファインダー像を必ず見る機会があるということだ。もちろんSPを使っていてもカンで露光を決めたり外部の露出計を使うのならそれは必要の無いことだが、内蔵露出計で測光するなら、絞りで減光された像の明るさを実測するのが絞り込み測光だから、絞り込まれた暗い像をファインダーで見ながら露光を合わせなければならない。
もし、この間に構図も変わらず、被写体も自分も動かないならそのままシャッターを切れば思い通りの写真が撮れるが、実際はピントを再び合わせ直さねばならないケースが多々ある。
そのときは一旦絞りを開放にし(絞り込んだままではファインダーが暗くて、特にマイクロプリズムを使ってると陰りが出てピントを合わせにくいから)ピントを合わせ終わったら再び絞り込む。そしてシャッターを切る(もちろん露光が変われば再び測光だ)。
この一連の操作は文章に書くと大変なようだが、SPで行うにはカメラを構えたときの左手の親指の位置にある測光スイッチ1つで絞り込み測光開始(同時に実絞りに)と測光終了(同時に絞り開放に)が瞬時に切り替えられるので、実際にはかなり楽に操作できる。

さて、SPによる絞り込み測光での撮影の流れの中に、注目すべき2つの重要ポイントがある。
(1):実絞りでの画像チェックが必ず行われるということ。
(2):測光とピント合わせが予想外に楽に出来ること。

(1)について
ボケの様子というのは出来上がった写真の見栄えを大きく作用する要素だ。パンフォーカスのような写真を撮るなら気にする必要は無いが(いやむしろどこまでパンフォーカスが効いているかを確認する必要があるかも)日本人が好むと言われる大きなボケを入れるならば、被写界深度のプレビューは必須だ。古い一眼レフであろうが、最新のデジタル一眼であろうがこのプレビューする機能はかならずあるはずだが、開放測光のカメラではそれを故意に行わないと確認が出来ないのである。
ボケを気にする写真を撮る人であればプレビューボタンを押して確認することなど常識中の常識であると思われるが、俺のようについ最近までボケの写真の魅力が分からない初心者にとって
「あれぇ ファインダーで覗いたときはもっとフワッとしてたのになぁー」
と後になってプレビューし忘れを後悔したりするものだ。しかし絞り込み測光ならば、原理的にその失敗が起こらない。

(2)について
絞り込み測光は絞ったり開放にしたり面倒なようだが、実はけっこう楽なのは前述したように左手親指の位置にある測光スイッチが絞り込み設定ー解除スイッチと連動しているからだ。
目はファインダを覗きっぱなしで、測光スイッチを入れ、絞り輪またはシャッターダイヤルをいじくり露光を合わせる。引き続きファインダを覗きっぱなしで測光スイッチを切ると、それと同時に絞りは開放になりピント合わせがしやすくなる。ピントが合ったらそのままシャッターを切れば設定絞りに絞り込まれて撮影されるというわけだ(この機能はスーパータクマーからの完全自動絞りのおかげ)。その際絞りの数字を気にする必要は全くない(もちろん気にしたければレンズの絞り輪に目をやれば良い)。実際に試してみれば、SPの「絞り込み測光方式」といういかにも操作がめんどくさそうな呼び名が、実はかなり損をしているということが分かると思う。いまごろになって俺自身分かった。

上述したように、実際にはSPでの絞り込み測光の操作は非常にスムーズで、その後出たSPFの開放測光は特に必要ないと思わせるものだった。それは最近になってSPIIを手に入れてやっと気づいたことだった。また常に被写界深度がプレビューされるメリットも大変ありがたいものであることが分かった。SPの絞り込み測光を見直すべきだ。

古くからのSPユーザーにとってはアタリマエのことを今更なにほざいてんだぁ、と思うだろうが、
デジタル1眼(俺の場合はE-1)において、古レンズを使う場合の絞り込み測光の使い勝手の悪さがSPのそれに比べて耐えられないレベルだからだ!(と言って実は耐えてる)。
初めに書いたように、E-1でのM42その他の古レンズでの撮影は絞り込み測光だ。実際には絞り優先のAEで撮影するのが便利なわけだが、その手順はこうだ。
(1)絞り開放でピントを合わせ、(2)実絞りで絞り込みして測光し(3)その間何事もなければシャッターを切る。
もし測光中にピントがずれたら再び絞りを開放にしてピントを合わせ(ファインダーを明るくし合わせやすくするため)、その後再び前に設定していた絞り値にもどしてからシャッターを切る。AEだから、多少絞りがずれてもシャッタースピードは自動で適正に設定されるから気にする必要はないのだが、SPの操作と決定的に違うのは、
絞りを測光時の絞り値にあわせようと思ったら、いちいちファインダから目をはずしてレンズの絞り輪を確かめて動かさねばならないということだ。(指で絞り輪のクリック数を数えて設定するという熟練のワザもあるが)
SPだって絞り値がファインダー内に表示されるわけじゃないから、ファインダから目をはずして絞り輪を確認しないとダメだろと思われるだろうが、そうではない。何度もしつこいが、SPでは一度所望の絞り値に合わせたら、そのあと左手親指の位置の測光スイッチ1つで 開放<ー>設定値絞り込み の切り替えが行えることがミソなのだ。しかも、絞り込んで測光後、スイッチ1つで瞬時に絞りを開放にし明るいファインダーでピントを合わせてシャッターを切れば、設定した絞り値に自動的に絞り込まれて撮影される。
うーん、SPの絞り込み測光すごい。ラブラブ!
これはE-1だけでなく他の新しい1眼レフではマネが出来ないことだ(たぶん)。

貧乏なのでZuiko Digitalが買えず、古レンズを使っている。そうなるとマニュアルフォーカスだから、ファインダースクリーンをスプリット/マイクロプリズムに変えたくなる。実際俺はサードパーティー(Kats Eye)の物に変えた。
そうしたら、ただでさえ古レンズに対する露光表示がおかしいE-1の露光表示がさらにおかしくなった。
レンズによって露出はバラつくし、1つのレンズでも絞り値を変えるとまたさらに補正量がバラつく。
だから絞り込みで露光を合わせたら、一度撮影してからモニターで確認して、そのあと露光を補正して本番の撮影を行うという面倒なことをする。ま、長年の経験で「このレンズは絞り値がこのくらいのときは−1.5EV補正くらいしとくか」ということは頭に一応入っているが(すごいな)。
なので、露光を決めてから再び開放に戻してピントを合わせ直したら、もう一度正確に前の絞り値に戻さなければならない。その操作がめんどうなのだ。
そんな文句をタレながら、実はけっこう楽しかったりする。それはカメラに使われずにカメラを使っているという感覚からかもしれない。スローカメラ使いだからそれで全く問題ない。

長々と書いたが、結局古レンズを使うなら、それに適した古ボディを使うのが最も便利だと言うあたりまえのことが分かったということだ。

 それにしても心にゆとりがないとこんなことやってられないね。

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