D70の赤外線改造を依頼したと書きましたが、昨日
キャンセル。
以前にR-D1にIRフィルターをつけて撮影したものをもう一度引っ張りだして、Gimp等であれやこれやいじってみるがどうもあの魅惑的な
false colorに
ならない。ここで言うfalse colorとは通常撮影と赤外撮影を同時に行い、後に色分解して得られる
カラー赤外線写真ではなく、一発撮りで得られる疑似カラー赤外のことである。
海外のIRフォトをやる人たちのサイトを見てやっと気がついた。 俺は
IR76を使っていたのだが、どうもこれがまずい。IR72以下、できれば640nmあたりから通過するフィルターでないとあの色がでないことが分かった。
考えてみれば当然のことで、より赤外域側の光だけ取り込むことになるとRGBのうちのBlueとGreenの成分がほとんどカットされ、センサーに到達する光はRedチャンネルのみのモノクロの情報になってしまう。そうなってしまったら、あとでいくら画像処理ソフトでいじろうともあのfalse colorは得られない。その限界の波長が720nmのようだ。
なお、モノクロで強烈なコントラストを出したい向きにはより赤外域の、例えば830nmあたりのフィルターを使うと効果的になる。モノクロでそれなりのコントラストを出すには760nmあたりが無難。色を生かすなら720nm、色をより強調し、その代わりモノクロのコントラストを求めないなら640nmあたりを選べば良いということのようだ。
だから魅惑的なfalse color IR写真を楽しむならフィルターはIR72以下が必須。特にR64フィルターだと強烈な効果が出てくる。R64と言えばHαの領域(665nm)で、これは天体写真用に多くのフィルターが出ている。
ところがどっこい俺が調べた範囲では、国内で赤外改造をしてくれるところではIR76が主で、予約をした
光映舎に「760nmより短いのはないのかい?」と問い合わせたら、昔はやってたけど今はない。今後もやる予定無しということなので、それじゃあの色が出せなくてつまらないからキャンセルしたと言う訳なのだ。
Hα用の665nmならあるじゃないかと思うわけだが、これはバンドパスかまたは可視光から665nmあたりまでを通過し、それ以上の超波長側(赤外側)はカットするので赤外写真用としては使えないことも分かった。
国内では見つけられなかったので、ネットで探してみたらアメリカの
Life Pixelという業者を見つけた。以前にもこのサイトはちょっと見ていたのだが見逃していた。もっと早く気づくべきだった。
ここには
Enhanced Color IR Filterと称して、665nmのシャープカットフィルターがある。上記と同じ天文用だと困るので問い合わせてみたが、バンドパスではなく665nm以上を通過するフィルターとのことなので間違いない(まぁ作例を見れば明らかだが)。
うーん、これは強烈だぁーということで即改造注文をした。(それなりに高いがまぁこの楽しみのためならしょうがないっ。実は国内と比べてもそう変わらないんだな。円高感謝(^^;)
この手の
false colorのIR写真は日本よりアメリカの方がずっと盛んだ。デジタルIRの書籍も何冊か出版されているし、今回依頼したような改造業者も多い。
俺はネット上の一部の情報しか知らないけれど、日本でやっている人では、カメラのIRフィルタを除去せずにレンズ前にフィルターを付けて長時間露光で撮影したり、ライカのM8にIR72を付けたり(ご存知のようにM8は赤外カットフィルタが弱い)、赤外カットフィルターを外して代わりに同じ厚みのガラスを入れたり、極一部のマニアックな人はFujiの
FinePix Pro3 UVIR(国外で発売された学術研究用カメラ)に適当なフィルターを付けて紫外や赤外写真を楽しむ人もいるようだ。すごい。
日本であまり見かけない理由は、720nm以下から通過するフィルターを入れてくれる業者がないからなのだろう。無改造のカメラでも露光時間はかかるが、富士のシートフィルターIR72やケンコーのR64フィルターをレンズ前に付けて出来るのだからもっと楽しめばいい思う。
もっとも俺のように「赤外写真ならより超波長の赤外線を捉えたい」と思ってIR76やIR83等のフィルターを使ってモノクロIRしか撮らない(知らない)人が多いのかもしれない。
というわけで、新しいカメラを買う以上に楽しみになってきたのだ(まだカメラを送ってもいないのだが (^^)